👉 本記事は「遺産承継シリーズ」の一部です。
第1回の記事はこちら:遺産承継とは?相続登記との違いを司法書士が解説
🍀はじめに
遺産承継の手続きを進める際、「まず何から始めればいいのか分からない」というご相談を多くいただきます。 実際には、相続の全体像を理解しておかないと、途中で行き詰まったり、余計な時間や費用がかかったりすることもあります。
今回は、遺産承継の全体の流れを時系列で整理し、必要な準備について司法書士の視点から分かりやすく解説します。
🍀遺産承継の全体像
遺産承継は、大きく分けると次の流れで進みます。
- 戸籍収集・相続人調査
- 財産の調査・財産目録の作成
- 遺産分割協議
- 各種財産の名義変更・解約手続き
- 完了報告・資料整理
これらを順序立てて行うことで、スムーズに相続手続きを終えることができます。 特に相続人が多い場合や、財産の種類が多い場合は、司法書士の関与が手続きを効率化するポイントになります。
🍀ステップごとの流れ
① 戸籍収集・相続人調査
まず、被相続人の出生から死亡までの戸籍を集め、相続人を確定させます。
② 財産の調査・財産目録の作成
不動産、預貯金、株式、保険、自動車など、被相続人が所有していた財産をリスト化します。 金融機関や証券会社に問い合わせを行い、残高証明書や取引明細を揃えることが重要です。
③ 遺産分割協議
相続人全員で財産の分け方を話し合います。 遺言がある場合はその内容を尊重し、遺言がない場合は相続人全員の合意が必要となります。 協議の結果を「遺産分割協議書」にまとめ、全員の署名押印をもらいます。
④ 各種財産の名義変更・解約手続き
不動産は相続登記を行い、銀行口座は払戻や解約、株式・投資信託は名義変更を行います。 保険金の請求、自動車の名義変更、公共料金の精算などもこの段階で進めます。
⑤ 完了報告・資料整理
全ての手続きが終わったら、依頼者へ報告し、戸籍や各種証明書類を整理して返却します。 手続きの記録をまとめておくことで、後日の確認や税務申告の際に役立ちます。
🍀必要な準備
遺産承継を円滑に進めるためには、事前の準備が大切です。 特に次のような書類や情報を揃えておくと、手続きがスムーズになります。
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 印鑑証明書
- 固定資産評価証明書
- 銀行の通帳や証券口座の明細
- 保険証券や契約書類
また、事前に財産の全体像を把握し、相続人全員の連絡先を確認しておくことも重要です。 これにより、相続人間での情報共有が円滑になり、余計なトラブルを防ぐことができます。
🍀司法書士に依頼するメリット
司法書士に依頼することで、煩雑な戸籍収集や書類作成を一括して任せられます。 さらに、相続人全員の意向を調整しながら、正確かつ効率的に手続きを進めることができます。 税務申告や紛争解決が必要な場合には、税理士や弁護士と連携しながら対応できる点も安心です。
🍀まとめ
遺産承継は戸籍収集から始まり、財産調査、遺産分割協議、各種名義変更という流れで進みます。
事前に必要な書類や情報を準備しておけば、相続手続きの負担を大幅に減らすことができます。
司法書士に依頼すれば、複雑な手続きを全て代行してくれるので、日常生活に支障をきたすこともありません。
★次回予告★
次回「第3回 預貯金・株式・保険など金融資産の承継手続き」では、金融機関ごとの具体的な流れや注意点について解説します。 相続登記以外の財産承継の実務を知ることで、相続手続きをより具体的にイメージできるはずです。
「遺産承継シリーズ」
- 第1回:遺産承継とは?相続登記との違いを司法書士が解説
- 第2回:遺産承継の全体の流れと必要な準備(本記事)
- 第3回:預貯金・株式・保険など金融資産の承継手続き(公開予定)
- 第4回:不動産の承継と相続登記義務化(公開予定)
- 第5回:遺産承継でよくあるトラブル事例と対策(公開予定)
- 第6回:死後事務委任・遺言執行と遺産承継の関係(公開予定)
- 第7回:司法書士に遺産承継を依頼するメリットとまとめ(公開予定)
【事務所案内】
INFINIS LEGAL.(インフィニス・リーガル)司法書士事務所
司法書士 高橋 直文
営業時間:平日 9:00〜17:00
電話:078-959-5522
アクセス・地図はこちら
初回相談(予約制)は無料で承っております。
お気軽にお問い合わせください。



